Rio.012 『スロープおもちゃ』

発端と構想

兄夫婦が「娘のためにおもちゃをつくりたい!」ということで、Rioにおもちゃ作製の指導を依頼してきました。 ついにRioも「大先生」とよばれ敬われる存在に…(涙) 作製したいおもちゃは名称不明ですが、車が数本のスロープを落ちていくものです。習作はドイツのおもちゃメーカー。 兄夫婦に送られたおもちゃの画像を見て、作製方法や、材料を考えていきます。ちなみに正規品の値段は1万5千円という 事でしたので、どれだけこれを下回れるか、が勝負ですね☆

スロープを側柱に固定する方法は、結構悩みました。一般に売られている同タイプのおもちゃは、 側柱の両側に木材をつけ、釘で固定しているようです。しかし、兄夫婦には釘を使いたくないという変なこだわりがあったので、 思考錯誤…。

思い浮かんだ固定法は2つ。第一案は、スロープの両端をソーガイドで角度をつけて切断し、ダボで固定。第二案は、 側柱に垂直にダボを打ち込み、スロープの裏側に斜めの溝を掘り、載っけるように固定。 第一案では、スロープと側柱の接合部面積が増えるので、第二案より剛性が高いと思われます。しかし、 ソーガイドで任意の角度を完璧に出すのは難しいうえ、その角度の算出もめんどくさい(笑)です。 ということで、作業の難易度を考えて、今回は第二案で行くことにしました。

材料

本体とスロープは1バイ4SPF材とします。土台の幅は、89mm(そのまま)、側柱の幅は70mm、スロープは46mm(既製品の車の幅、45mmより逆算) とします。また、スロープの厚さが他の部材と一緒ではデザイン的に野暮ったいので、自動カンナで厚みを調整してもらいました。

スロープには、車が落ちないようにガードレールをつけなければならないのですが、この材料の選択は結構大事です。 というのは、@ガードレールの高さによって車が受ける摩擦が変化し、速度に影響が出る。 しかし、A速度を優先して高さを低くし過ぎると車がレールから落ちてしまう。 …ん〜…こういうときは実験しかない!幅は3mmで決まっていたのですが、高さは3mmのものと5mm購入し、動作状況を確認することにしました。 結果、高さ3mmに軍配が上がりました。

作製費は1500円ほどに収めることができました。

■制作工程

土台の制作から始めます。土台に側柱がはまる四角い穴(…木工関係の用語を一度勉強しなければ…) を開けます。本テーマのために購入した、電動ジグソーが大活躍しました(^−^)ちょっとキツメに 穴をあけておくといいかもしれませんね。取り返しがつきますから…「木工は引き算」です。 スロープの取り付け位置と、角度の確認です。もちろん、5本のスロープは同じ角度で側柱に固定されます。 こういう作業は1人でやるより2人での方が効率的ですよね。夫婦共同作業(^−^) マスクをしているのは、直前に部材を電動サンダーで表面調整していたからです。
思考錯誤の末マークされた、ダボを打つポイント。 作品の見た目に直結する大事な線引きです。 ダボを受ける穴をあけている兄。垂直度を確保する義姉。夫婦共同作業(^−^)
レールの裏には、ダボを受けるための斜めの溝をほります。方法としてはトリマーのU字ビッドで掘るのが最も効率的だとは思ったのですが、 兄夫婦に危険なトリマーを使わせるわけにはいきませんので、却下。代案として、レールを捨て木とあわせ、 ちょうど中央に8mmドリルビッドで穴をあけるという方法をとりました。この後、彫刻刀を使って 溝が斜めになるように調整します。 部材の加工が終わって仮組みしているところ。兄夫婦と一緒にほくほく。残る作業は、レールの穴あけ加工とガードレール取り付け、 土台にちょっとした仕掛けを作るのみです。
さて、スロープの加工です。まずは、3mm×5mmのレールを取り付けます。 主たる部材が2本のSPFでできていて350円なのに対して、3mm×5mmの木材を8本(@60)必要としたのは ちょっと馬鹿らしかった(涙目) ドリルとジグソーを使って、車が落ちていく穴を開けます。車が滑り落ちる方には、若干の丸みをつけています。 気持ちですが、車の動作に影響してきます。義姉はレールの両サイドに穴をあけるものと勘違いしていました。(笑)
これがちょっとした仕掛けです。本テーマでRioが作業した数少ない加工(やすりがけとかは かなり手伝ったけど)です。トリマービッドで土台部分に溝をほります。この溝によって、車はスピードを落として止まり、 それまでと違った音が生まれます。子供の成長上、音による刺激は良さそうですもんね。 塗装はおもちゃ作りでおなじみの水性クリアニスにしました。安全性を究極まで高めるには、シェラックでフィニッシュするのも 良いそうですね。今度チャレンジしてみよ〜(^_^)/兄夫婦は研磨の大変さをあまり感じていませんでした…(?) Rioなんか右腕が筋肉痛になるくらい、苦痛だと思っているのに(涙)
すべての溝という溝に木工ボンドを塗布して接着、中型クランプでガッチリ圧着、完成です! 毎週末一日3時間、長い作業でしたが楽しんで作業できました(^−^) やっぱり木工とかDIYは第一に面白いですよね。 動作状況です。なかなかスムーズでしょう?兄夫婦も狙い通りの完成具合だったらしく、満足げでした。 ただ、姪はまだまだこれで遊べませんけどね…笑 車をスロープの上に乗せることは分かっているのですが、うまくいかないようです。笑

Data

■作品名   Rio.012 『スロープおもちゃ』

■作製時間  2010年5月30日〜6月20日 一日3時間×4日 

■費用    約1500円

■本歌    ドイツのおもちゃメーカー

Rio番号

モーツァルトのケッヘル番号よろしく、Rioの作品の参照番号です。 家具、小物、木のおもちゃ、屋外作品、レザークラフト全てにつけている時系列番号です。 死ぬまでに、どこまでいくかな〜(^−^)

木工と安全

木工には色々な危険が潜んでいます。テーブルソーで指を切断するという類のドラスティックなものから、 小刀やノミで指を深く傷つけてしまう日常的に起こるもの(経験済み)まで。 安全を確保するための道具・装備・ジグをそろえて、木工を楽しみましょう。

制約下木工の流れ

Rioが直面している技術的制約、予算制約、時間制約下でのアマチュア木工

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